Zoomの登場により、100名規模での多様なオンラインイベントを簡単に実施できるようになりました。これは、国際会議や各種学会、展示会などをオンラインで実施する環境が整ったことを意味しており、私たちは2016年から、運営のノウハウの蓄積と、スタッフの人材育成を行ってきました。
国際会議や各種学会、展示会などをオンラインで実施するメリットは、会場費と交通費を削減することで赤字のリスクを減らせること、会場を予約する必要がないため、日程を組みやすくなり、実施回数を増やすことができる点です。予算や会場の制約により、今まで年に1回の実施だったのを、たとえば、年に6回の実施にすることができます。余った予算でイベントの事務局機能をクラウド化して一部をアウトソーシングし、実施回数が増えても、むしろ運営の負担を下がるようなやり方へと切り替えることも可能です。実施回数が増えれば、プロジェクトや研究は加速します。展示会であれば、ビジネスチャンスが増大します。
オンライン化には、別のメリットもあります。
簡単にセッションを録画することができるため、録画動画を提供することで、リアルタイムで参加できない参加者をフォローしたり、同時刻に実施された分科会の内容を後から動画で学んだりすることもできます。
対面での実施に臨場感の点で劣るところはありますが、録画の仕様など、対面では不可能なオンラインならではの強みもあります。対面かオンラインかではなく、対面とオンラインを相補的に組み合わせていくことで、総合的に活動の質を高めていくことを考えるのが重要だと思います。
2020年には、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、たくさんのリアルイベントがオンライン化の道を余儀なくされることになりましたが、私たちは、オンライン化を「リアルの劣化版」や「やむえない選択肢」とは考えておらず、新たな価値として2016年からの次のようなイベントに取り組み、運営ノウハウを蓄積してきました。